コラム

外食企業は原点回帰すべき時期にきている/新しい時代への一歩を踏み出せ

竹谷 稔宏(エーエフディーコンサルタンツ株式会社)

竹谷 稔宏
竹谷 稔宏

外食市場は年々売上を下げるばかりか、いっこうに客数増加につながらない戦略やこれといった改善策もないままに何をすればよいのか闇雲に喘いでいるようである。
この8年間は各外食企業が低迷の一途をたどりつづけてきており(売上の下げ止まりも見えないままに)、ただ時を経過してきたと言っても過言ではないだろう。
むしろなにをしていいのかわからないままに確信のない「価格破壊戦術」や「勝機なき新商品投入」に利益を投資してきたに過ぎないことを忘れてはならない。

特に即売上に繋がる低価格戦略は、客数減少の対策として最後の秘策であり、ともかく躍起になってあの手この手と結果のでない安売り戦争に終始したという印象しか残っていないことであろう。もはや客数を増加するためには価格を下げることが最後の手段であるかのごとく、つづけざまに低価格というキーワードや告知の訴求をしてきたことは記憶に新しいことである。

勿論、低価格戦略は、即集客という効果は期待できるものの、利益率を低下させてまで継続することは企業本来の利益を低下させるものであり、継続的戦略としては理想的ではないことであろう。しかしいまだに安売り戦争から抜け出すことができない業態もあるなど生活者の価格への不信感を増幅させているかのようだ。

何故に低価格化することに突き進んでしまったのかは疑問が残る部分も多いものの、その戦術は目先だけの浅はかな手法であることにきづいているにもかかわらず、その戦術を継続していかなければ企業継続できない現実があまりにも情けない。

今外食業界に求められていることは、なんであるのかを改めて見直す時期にきていることは確かであろうし、その現実を企業が認めなけなければ先行きも見えてこないことを忘れてはならない。
すでに時代は大きく生活者のライフスタイルに変化をもたらしているばかりではなく、外食の利用法や店の選定ポイントに至るまで変えてしまっていることの現実を見落としてはならないだろうし、新しいアイデアを創出することもできない。
近年では価格破壊の手法が原価率を圧迫し、高級料理を低価格で提供する立ち飲みレストラン「俺のフレンチ、イタリアン、居酒屋」シリーズの生活者の反応は目を見張るものがあるはずだろう。
いわゆる人件費と原価率をあわせて60%に止めるという理論に一石を投じる経営手法は新たな外食経営の利益構造にメスを入れることでもあろう。
いまや飲食店が流行るポイントは女性の志向や年齢別需要を細部に分析し、且つその生活者のニーズを具体的に捉えることが大切なことであり、そのポイントをまとめ店づくりをすることこそ、新しい外食の姿であることを理解し具体的に業態としてカタチにすることが今後の外食に求められることである。

その現実にいかに早くきづくことができるかが今後の企業の将来の盛衰を左右するポイントになることは明白であり、各企業に合わせた外食の新しいカタチを創出することに先行投資することを提言する。
決して低価格戦略とは企業にとって継続的利益や努力の効果やメリットを残すものではなく、ただ単に目標数字合わせにしか過ぎないことを忘れてはならない。
つまり「新しい時代への一歩を踏み出す勇気を持つことである」

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