コラム

「2016年飲食業界の進むべき方向性を探る」

竹谷 稔宏(エーエフディーコンサルタンツ株式会社)

竹谷 稔宏
竹谷 稔宏

近年の生活者が外食に費やす消費は低下傾向にある中でその状況に輪をかけて客数減少、売上不振など辛酸を舐める環境は相変わらず留まることを知らない。

外食の市場規模は約23兆とも28兆ともいわれている中で確実に市場はマイナス減少サイクルに入っていることである。その状況に更なる悪条件は、今後の少子化高齢化社会を迎える日本にあっては、外食企業としての大きな方向性の変換や戦略を変えていかなければ、益々競争に生き残っていけない時代になりつつあることを忘れてはならない。

しかし悪い状況ばかりではなく、5年後のオリンピック開催国に決まり、膨大な経済効果や様々な分野で活性化の糸口は見えつつあることも現実であり、特に海外からの日本観光客の数は、今年は1800万人以上と昨年の2倍に増加してきていることであろう。

その日本観光客(インバウンド)が日本に落とす金額は、様々な分野に活性化を生み出し今年はこの業種・業態が数字を伸ばし結果を出しているものの、これは、飲食店の商品や料理に魅力あって流行っているということではなく(あくまでも一次的なヒットであり)、ただ単に流行りの終結や生活者に飽きられてしまえば、再びその飲食店は衰退消滅していく傾向にあることは変わっていない。

しかし外食企業の戦略は、相変わらず即売上に結び付く低価格戦略に終始するばかりか、真の生活者の支持を受ける商品戦略やヒット商品を生み出すことができていない。いわば、不況になればなるほど次々と絶え間なく新商品を打ち出すものの、全てにおいて安直且つ継続ヒット商品を生み出すことに結びついてはいないことを理解しなければならない。

もはや目先だけのメニューチェンジで集客する手法をとるあるいは商品の安売りで集客率を上げるなど、ごく短絡的な戦略や戦術が目立つことに危機感を覚えざるを得ない。低価格戦略はだ単に付加価値を低下させるものであり、生活者がその価格低下への刺激を失えば、客数は増加しなくなることを忘れてはならない。

むしろ企業の戦略や戦術として大切なことは、新商品の乱発ではなく、しっかりとした企業イメージと継続的ヒット商品を生み出す努力に力を注ぐことが重要なポイントであることを認識することであろう。

 

今後も外食市場は大きく変化することはなく、ゆっくりと減少趨勢をとっていくことを想定すると、市場を高齢化社会に向けた業態を生み出すあるいは高齢者の利用率を高める戦略を模索することが現状維持あるいは新しいビジネスタンスを確立するヒントに繋がることを忘れてはならない。

今後の2016年の企業戦略や戦術としては、1年、3のスパンで目標と内容を具体化していく模索が必要であろうし、市場を日本だけに留まらずアジア圏への拡大を模索する時代に入っている。つまり日本市場だけではなくアジア圏へ向けた市場拡大を模索していくことが新しい時代への企業戦略の方向性になることは明白であろう。

single